こたつでおちゃらか

死体の独り言

推しとは死んでも分かり合えない

※長い

※ほぼ愚痴

 

 

 

 

推しとオタクが分かり合えないなんてそんなに珍しいことではない、と思う。

だってそもそも立場が違うしお互いが向ける思いの強さも天秤が壊れるくらいには違いがある。

 

だけどそういう、「演者とファン」が分かり合えない、という次元の話ではなくもっと根本的な部分、「人と人」として分かり合えないのだ、わたしと推しは。それは推しが自分の話をわりかし沢山してくれる個人イベントだったり、前は頻繁にやってくれたインスタライブだったり、SNSの投稿だったり、はたまたうっかり(…)見てしまった高校時代の写真だったりで露見する。

 

わたしの推しは所謂「陽キャ」だと思う。というかほぼ確実に陽の側の人間だ。クラスの集合写真で大体いつも1番前で寝転がってる、ああいう人。わたしの推しに限った話ではなくきっとほとんどの若手俳優と呼ばれる演者達はそっち側の人間として生きてきたはずだ。知らない人ともまあそれなりに仲良くなれるし仲のいいふりをすることもできる、行動する時は大体仲間と一緒に居るし1人で行動する人を可哀想とか寂しい人だとか思っちゃうような、悪い人ではないけど無意識に1人で居る人を下に見ていそうななにをやらせても大体できちゃうしなんなら人よりなんだってできる、そういう人種。(このイメージはわたしが完全に日陰の人間であるため多少の羨ましさや恨めしさを含む。半分私怨。)

イベントで推しが「俺1人でイベント行くとかぜってー無理!」なんて言い出した日にはこりゃだめだと思った。わたし絶対可哀想な奴だと思われてる。

 

一方わたしは生まれてからずっと「陰キャ」。陽向に生きる人間の陰でひっそり生きてきたし友達もそんなに多くはない。何せ人見知りがすごい。大人数だと聞きに徹してしまって喋れない。そういう人間。だから現在こうやって外に出ていかなきゃならない趣味を持っていることもほとんど奇跡だ。外に出るのが嫌すぎて現場の前は必ず鬱になるし新幹線で泣く。もう帰りたい。だけど推しには会いたいから這うように会場に向かうがそこでも試練は待ち受けており、入場待機列や物販列に並べば周りは友人同士で来ている人だらけで中にはカップルらしき2人組なんかも居て更に鬱だ。もう帰りたい。推しはわたしがそんな気持ちで開演までの時間を過ごしていることなんて知る由もなく、挙句の果てに周りの人と友達になってくださ~い!なんて言い始める。無茶言うな。できるわけないだろ。

あんたにはこっち側の人間の気持ちなんてわかんないだろうなと思った。あんた呼ばわりしてしまうくらいなんかすごく悲しかったし、生まれた時から分かり合えないことは決まっていたんだと感じた。

 

多分推しは、自分のオタクにどれくらい陰に生きてきた人が居るのか知らないし(わたしも知らないけど)、そもそもそういう人間が存在することすら気にしたことなんてないのかもしれない。なんでわたしが舞台もイベントもいつも1人で来ているのか純粋に分からないと思う。友達作ればいいのにって簡単なことみたいに思ってる。

 

推しはこれからもずっと陽向の人間だ。それが似合う人だ。ステージの眩しい照明の中に飛び込んで行く姿が多分推しの人生を表してる。日陰なんて似合わない。

だから日陰の人間なんて気にして生きなくて良い。存在すら忘れて居たって良い。だけど皆が皆自分と同じように人と関われるなんて思わないでほしい。あなたは特別なんだから。人と話すのも人前で話すのも顔をすぐ覚えるのも距離を上手く詰めるのも先輩に可愛がられるのも、あなたが特別だからできること。努力もあるだろうけどやろうと思ってできることじゃない。それに気づいていて欲しい。

 

 

 

生まれ変わったってきっと推しとわたしは分かり合えない。